口の中のデキモノ

「口の中に違和感がある」
「舌や頬にしこりのようなものができた」

このような症状があると、不安を感じる方も多いかもしれません。

実は、口の中にできるデキモノにはさまざまな種類があり、多くの場合は良性ですが、まれに治療が必要なケースもあります。

次のような症状がある場合は、できるだけ早めに受診をおすすめします。




2週間以上治らないデキモノがある

痛みやしこりがある

急に大きくなったり、出血しやすくなったりした

表面がただれている、白っぽく変色している

当院では日本口腔外科学会認定 口腔外科認定医が在籍しており、専門的な視点から診察・治療を行っております。
特に、悪性の疑いがある場合には、組織生検を実施し、詳細な検査を行うことも可能です。

 

口の中にできるデキモノの種類

口の中のデキモノには、大きく分けて良性のものと悪性のものがあります。

 

良性のデキモノ



ほとんどの口腔内のデキモノは、炎症や過剰な摩擦によるものが多く、基本的には良性です。




口内炎（こうないえん）
口内炎は、口の中にできる非常に一般的な良性のデキモノで、主に頬の内側、舌、歯ぐき、唇の内側などに見られます。
口内炎はさまざまな原因で発生し、主にはストレスや疲れ、不規則な食生活やビタミン不足、理的な刺激、アレルギーや薬の副作用などが挙げられます。
通常の口内炎は数日〜1週間ほどで自然に回復します。

粘液嚢胞（ねんえきのうほう）
唇の内側や舌の下などにできる、水ぶくれのようなデキモノです。
唾液腺が詰まることで生じ、自然に治ることもありますが、大きくなった場合は摘出が必要になることもあります。

線維腫（せんいしゅ）
頬の内側や舌の側面など、歯が当たる部分にできるコブのようなふくらみです。
慢性的な刺激が原因となるため、入れ歯や詰め物の調整が必要になることもあります。

乳頭腫（にゅうとうしゅ）
ヒトパピローマウイルス（HPV）が原因でできる、小さなイボのようなデキモノです。
痛みはないことが多いですが、増殖する可能性があるため、場合によっては切除します。

血管腫（けっかんしゅ）
血管が増殖してできる、赤紫色のデキモノです。
多くは放置しても問題ありませんが、大きくなった場合や出血しやすい場合は切除を検討します。

 

悪性のデキモノ（口腔がんなど）



まれに、口の中のデキモノが悪性のこともあります。
特に、硬くてしこりのあるもの、表面がただれているもの、なかなか治らないものは注意が必要です。




扁平上皮がん（へんぺいじょうひがん）
口腔がんの中で最も多いタイプで、舌や歯ぐき、頬の粘膜にできることが多いです。初期は白っぽい変色やただれが見られる程度ですが、進行すると痛みや出血を伴います。

悪性黒色腫（メラノーマ）
口の中に黒っぽいシミのようなものができるケースで、通常のホクロとは異なり、形がいびつで徐々に大きくなるのが特徴です。
悪性の可能性がある場合は、できるだけ早く検査・診断を行うことが重要です。

 

口の中のデキモノの治療方法



デキモノの種類によって、治療方法は異なります。

経過観察
良性で小さい場合、特に問題がなければそのまま様子を見ることがあります。
ただし、大きくなったり、痛みが出たりする場合は早めに受診してください。

外科的切除
大きくなったデキモノや、頻繁に再発するものは、局所麻酔下で切除することが可能です。

組織生検（病理検査）
デキモノが悪性かどうかを調べるために、一部を採取して病理検査を行います。
当院ではSRL（検査機関）へ委託し、専門的な診断を実施しています。

その他の治療
血管腫の場合は切除、乳頭腫の場合は凍結療法など、症例に応じた治療を行います。

 

口の中にデキモノができたら、まずは専門医に相談を



口の中にできるデキモノの多くは良性ですが、中には悪性のものもあります。
「すぐに治ると思って放置していたら悪化した」というケースも少なくありません。

当院では、口腔外科の専門医が診察を行い、必要に応じて精密検査や治療を実施します。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。