血液検査

当院では、口腔内のトラブルの原因をより正確に診断し、適切な治療を行うために、血液検査を実施しています。
歯科治療において血液検査は一見関係がないように思われがちですが、全身の健康状態と口腔内の状態は密接に関わっています。
歯ぐきの腫れや口内の違和感が、実は全身疾患と関連していることも少なくありません。
当院では、院内に血液検査装置を設置しておりますので、迅速かつ精密な検査が可能です。
また、外部の専門機関(SRL)に委託することで、ほぼすべての血液検査項目を測定することができます。
なぜ歯科で血液検査が必要なのか?
歯周病と全身疾患の関係
歯周病は、単なる歯ぐきの炎症ではなく、糖尿病や心血管疾患、関節リウマチなどと関連していることが明らかになっています。
血液検査を行うことで、血糖値や炎症反応の指標(CRP値)、免疫状態を確認し、歯周病の進行リスクを評価できます。
特に糖尿病の方は歯周病の悪化が早いため、早期発見と管理が重要です。
原因不明の腫れや炎症の診断
歯ぐきや頬が腫れている場合、その原因が感染症なのか、アレルギーなのか、それとも免疫の異常なのかを判断することが重要です。
血液検査では、白血球数やアレルギー反応の指標、免疫系の状態を調べることができるため、より正確な診断が可能になります。
口腔外科手術やインプラント治療の安全性向上
インプラント手術や親知らずの抜歯などの外科処置を行う際、血液の凝固機能や感染リスクを事前に確認することは非常に重要です。
特に高血圧や糖尿病などの持病がある方では、手術中のリスクを減らすためにも血液検査を推奨しています。
自己免疫疾患や全身疾患のスクリーニング
口内炎がなかなか治らない、口の中にできものがあるといった症状は、ベーチェット病や関節リウマチ、膠原病などの自己免疫疾患が関係していることがあります。
当院では、血液検査を通じてこれらの疾患の兆候を早期に発見し、必要に応じて専門医をご紹介します。
当院で行っている主な血液検査項目
炎症マーカーの測定(CRP、白血球数)
CRP(C反応性タンパク)や白血球数を測定することで、体内で起こっている炎症の程度を把握します。
歯周病の進行度や、根尖性歯周炎(根の先に膿が溜まる状態)の診断にも役立ちます。
糖尿病関連の検査(HbA1c、血糖値)
糖尿病の方は歯周病の進行が早く、また傷の治りも遅いため、歯科治療の際には特に注意が必要です。
HbA1c(ヘモグロビンA1c)の値を測定することで、過去1〜2ヶ月の血糖コントロールの状況を確認できます。
免疫機能の評価(免疫グロブリン、リウマチ因子)
関節リウマチや膠原病などの自己免疫疾患が疑われる場合、免疫系の状態を確認するために検査を行います。
特に歯ぐきの腫れや口内炎が頻繁に起こる場合には、この検査が有効です。
アレルギー検査(IgE)
口腔内の腫れや違和感がアレルギー反応によるものかどうかを確認するために、血液中のIgE(免疫グロブリンE)を測定します。
歯科治療で使用する麻酔や薬剤に対するアレルギーの有無を調べることも可能です。
骨代謝マーカー(骨粗しょう症のスクリーニング)
歯を支える顎の骨の状態を知るために、骨代謝マーカーを測定することがあります。
特に、閉経後の女性や骨粗しょう症のリスクがある方は、歯周病の進行やインプラント治療の適応を判断するために重要な指標となります。
血液検査を受けるメリット
口腔トラブルの原因をより正確に特定できる
症状の原因が局所的な問題なのか、それとも全身的な疾患と関連しているのかを判断できます。
リスクの高い歯科治療を安全に行える外科手術やインプラント治療の際に、患者さまの体の状態を事前に把握し、リスクを最小限に抑えることができます。
早期発見・早期治療につながる
歯科医院での血液検査を通じて、歯科以外の病気(糖尿病、リウマチ、骨粗しょう症など)を早期に発見し、適切な医療機関での治療につなげることができます。
予防歯科の一環としても有効
歯周病やインプラント治療に関するリスクを事前に評価し、予防的なケアを計画的に行うことができます。
血液検査を活用することで、より安全で精度の高い歯科治療を提供することが可能です。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。